色・インキについて 顔料の種類
顔料と染料の違いについて
顔料とは水や溶剤に溶けない耐光性のある安定した細かい色粉の物の総称です。着色に用いる粉末で水や油に溶けるものは染料と呼ばれます。塗装に色彩を与え、塗装の作業性や塗膜の機能を向上させ、塗装を丈夫にする等の働きがあります。
顔料は、塗料、インク、合成樹脂、織物、化粧品、食品等の着色に使われ、多くの場合粉末状にして使います。バインダー、ビークルあるいは展色剤と呼ばれる、接着剤や溶剤を主成分とする比較的無色の原料と混合しする等して、塗料やインクといった製品となります。
顔料は、塗料、インク、合成樹脂、織物、化粧品、食品等の着色に使われ、多くの場合粉末状にして使います。バインダー、ビークルあるいは展色剤と呼ばれる、接着剤や溶剤を主成分とする比較的無色の原料と混合しする等して、塗料やインクといった製品となります。

顔料の場合、マットであまり透明性がありませんが耐水性があり、滲みません。
紫外線等への耐候性があります。
染料は水や油、アルコール等に溶ける性質があり、粒子を持たない物質で液体全体に色がついています。
顔料のように色を塗るのではなく繊維の中に浸透し発色します。
インクには、染料系インクと顔料系インクがあり、染料系は、元々は布や糸、皮等に色を染める場面で使われてきました。細かな色の粒子を溶媒に溶かした状態で使います。
一方の顔料系は、鉱物から作られており、色の粒子は塊状で、樹脂等を用いて紙の表面にこびりつかせて印刷します。ですから、インクは紙に定着させる樹脂等を含んだ状態になっています。乾くと固まる仕組みなので、水に少々濡れたぐらいではにじみませんし、 なにより数十年は色あせしないという特徴があります。
主な顔料の分類
ほとんどの印刷インキの色料が顔料ですが、この顔料もさらに“無機顔料"と“有機顔料"に分類されます。
また、色をつける為の着色顔料、防錆の為の下塗りに用いられる防錆顔料、塗膜を強くする為の体質顔料等に分類されています。
また、色をつける為の着色顔料、防錆の為の下塗りに用いられる防錆顔料、塗膜を強くする為の体質顔料等に分類されています。
有機顔料 | 着色顔料 |
・アゾ系 溶性アゾ系 色調は黄から赤であるが、大部分は赤顔料で、色が鮮明で着色力があり、耐溶媒性・耐熱性に優れている ・多環系フタロシアニン系 色調は青から緑で鮮明な色・優れた着色力があり、耐熱性・耐溶剤性・耐薬品性等の耐性も優れ幅広く用いられている。 ・スレン系 色調は黄から青まで広範囲耐候性t耐熱性l耐溶剤性に優れる。ただし、還元性の強い雰囲気では変色する事があるので注意が必要。 ・キナクリドン系 色調は橙から紫。有機顔料の中では最高級の諸堅牢性を持つ為幅広く用いられる ・ジオキサジン系 色調は紫鮮明で着色力が大きく、耐候性や耐熱性は比較的良好であるが、耐溶剤性はやや弱い。 |
無機顔料 | 着色顔料 |
・カーボンブラック 外観は粉状もしくは粒状の黒色の固体で、有機物(炭化水素)の不完全燃焼や、熱分解によって生成される ・弁柄 一般に、硫酸鉄・塩化鉄を高温で焼いて作る。製法により黒色、黄色、赤色等の色相に分かれる。 ・チタン白 塗料の白顔料はほとんどがチタン白である。 ・チタン黄 レモンイエロー顔料として耐候性、耐熱性、耐薬品性に優れる顔料。 ・群青(ウルトラマリンブルー) ウルトラマリンカタログと称され、古くから親しまれている鮮やかな青色顔料。赤みを帯びた鮮明な青色顔料。 ・コバルトブルー 酸化コバルトと酸化アルミニウムを混合・加熱して色を作る。塗料用としては高級顔料。 ・黒鉛(グラファイト) 耐熱塗料、防食塗料に使われる。 |
体質顔料 | 他の顔料・塗料の増量剤、また、着色性・強度等を改善するための混合剤として用いる白色顔料。塗料の中で体質顔料の役割は主として、パテ、サーフェイサー等下塗り・中塗り等の肉持ち(塗膜の厚さ)が必要な時に配合される。それ自身には色もなく、隠ぺい力もない。 炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー(China Clay)、シリカ粉、珪藻土、タルク、アルミナホワイト、塩基性炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉等がある。 |
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防錆顔料 | 金属をさびから守るために開発され、一般に、鉛系、クロム系、亜鉛系、リン酸系等数多くの種類があるが、鉛系のさび止め顔料は鉄面用として効果がある。 鉛丹、シアナミド鉛、亜酸化鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カルシウム、ジンククロメート、ストロンチュームクロメート、亜鉛華等がある。 |
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金属粉顔料 | メタリック色用のインキ色材として、金属粉顔料(アルミニウム粉、ブロンズ粉等)や真珠光沢顔料(パール顔料)がある。中でもアルミニウム粉(ペースト)とパール顔料が多く用いられている。これらの顔料は、粒子の純度、粒度分布、厚さ、形状と表面の平滑性等によりいろいろな種類に分かれ、光沢、輝き、メタリック感に差がある。 |
顔料の耐性について
有機顔料の化学構造は、太陽光や紫外線に弱く、屋外の直射日光が当たるところでは色が無くなり易く、屋外に長期間掲示されたポスターの写真が青黒くなっているのは、黄と紅の色が無くなって藍と黒のみが残った結果によるものです。
長期掲示されるポスター類には有機顔料の中でも耐光性の良いものが使われ、無機顔料は一般的に耐光性が良好で、建築物の塗料に多用されています。
長期掲示されるポスター類には有機顔料の中でも耐光性の良いものが使われ、無機顔料は一般的に耐光性が良好で、建築物の塗料に多用されています。
■例 代表的な顔料とその耐性
色 | 代表的な顔料 | 耐性 | ||
---|---|---|---|---|
耐光 | 耐溶剤 | 耐水 | ||
赤 | ブリリアントカーミン6C | ○ | ○ | ○ |
レーキッドC | △ | ○ | △ | |
黄 | ジスアゾイエロー | △ | ○ | ◎ |
緑 | フタロシアニングリーン | ◎ | ◎ | ◎ |
青 | フタロシアニンブルー | ◎ | ◎ | ◎ |
紫 | メチルバイオレットレーキ | × | × | △ |
ジオキサジンバイオレット | ◎ | ◎ | ◎ | |
黒 | カーボンブラック | ◎ | ◎ | ◎ |
白 | チタンホワイト | ◎ | ◎ | ◎ |
無色 | 炭酸カルシウム | ◎ | ◎ | ◎ |
硫酸バリウム | ◎ | ◎ | ◎ |